書道作品

鴎閑
おうかん
かもめは穏やかに優雅に空高く飛ぶ

燕子門三樹柳 桃花渓裏一群鵞
えんしもんぜんさんじゅのやなぎ とうかけいりいちぐんのが
ツバメが門前の三株の柳が青々としてとまっている
桃の花の咲く谷の内をひと群の雁が飛んでいる

完璧
単に欠点がないことや完全であるという表面的な定義にとどまらない。
完璧さを追い求めることが人間の存在意義であり、
完璧さそのものが達成されることはないが、
その追求こそが人間らしい成長や意義、内面的な成長に繋がるものである

和敬清寂 わけいせいじゃく
お互いに心を開いて敬い合い、清らかで静かな境地を大切にすること
茶道の四規(千利休)
日常生活や人間関係、人としてのあり方においても大切な心がけである
和:争わず心を通わせる
敬:相手を思いやり敬う気持ち
静:心や物を清く保つ
寂:どんな時にも動じない穏やかな心を持つ、内面的な落ち着き

咬龍 雲雨を得ば、
(かうりゅう うんうをえば、)(こうりゅうとも読む)
復た 地中の物に非ず
(また ちちゅうのものにあらず)
如何ぞ 風塵の裡
(いかんぞ ふうぢんのうち)
徒らに 英雄をして屈せしむ
(いたづらに 英雄をしてくっせしむ)
咬龍になる者は、風雲(機会)を得れば天に昇るものである。
狭い池の中にいる器量の小さい者とはまったく異なる。
どうして俗世間の内では、(俗世間では風や塵が舞うようにとやかく言うが)
咬龍となる者は、自分の志を屈服させられようか(いやさせられるものではない)。
(そうして咬龍の志を持つ者はなるべくして英雄=大器となるのである)

い(ち遅)(は者)や(く久)紅梅さ(き支)ぬ下屋敷
静かな郊外の屋敷に、春の訪れを告げる紅梅がいち早く咲いた
季節感あふれる情景。情緒的で、のどかな雰囲気を詠んだ一句

涼州詞(りょうしゅうし)/王翰(おうかん)
葡萄の美酒、夜光の杯、飲まんと欲すれば、琵琶、馬上に催す
酔うて沙場(さじょう)に臥す(ふす)とも、君笑ふこと莫(な)かれ
古来、征戦(せいせん)、幾人か回る(かえる)
ぶどうで作った美味い酒を、夜中も光る杯に注ぐ、
飲もうとすると(誰かが)馬上で琵琶を弾いていて、酒興をそそる、
(たとえ私が)酔って、この砂漠(=戦場)に倒れ伏しても、
君よ、(私を)笑わないでくれ、
昔から、この辺境の地に遠征して、いったい何人が(生きて)帰ってこれただろうか、
(私は生きては戻れないかもしれない)


